Reiko
Takayama

書いては消し、書いては消していたら、この会の趣旨が何であるのかがわからなくなってしまった。
なぜなら、本会の開催をぼんやりと意識し始めたのは今年の2月下旬頃で、まさにコロナウィルスが蔓延し始めた時であって、まさかここまで長期深刻化するとは思っていなかった。
だから当初は「協働」について、自身が立ち上げたアート・コレクティブの運営の難しさや、ようやく明るみとなり、問題への取り組みが成されるようになったばかりの演劇界を取り巻くハラスメントやパワーバランスについて、また拘束時間と対価の問題、助成金などを話題にした話し合いが出来ないだろうかと考えていた。
それから3月に入り、公演中止のお知らせをポツポツと目にし始め、4月に入ると舞台芸術のみならず、音楽、イベント、ライブという全ての公演が中止となり、わたしの唯一の趣味である映画館まで閉鎖、まさに何もかもなくなった。それから国外どころか国内での移動も難しくなり、目に見える景色全てが変わってしまった。
暗く静かな5月・6月。降り続く雨と豪雨の7月。うだるような猛暑の到来 8月。
そしてようやく9月に入り、徐々にイベントの制限緩和発表の元、まだまだ厳しい状況の中で対策を講じガイドラインを設けての公演が行われるようになっていった。それぞれの現場の判断や努力は並大抵のものではないと思われる。
ではわたしはどうかというと、この半年で、すっぽりと体と頭の半分が抜け落ちてしまったような感覚に未だ襲われている。
さて、これから、どうしようか、というのが正直なところ、よしやるぞ、とはまだ言えない。どうしたらいいのか考えあぐねている。まだ怖いんだと思う。
そこで動き出しの始まりとして、人と話しをしたいと思った。
本会を開くにあたりまず、これまで悪魔のしるしの出演や、few phew pur(フュー ヒュー ピュー)の活動を見てきてくださった塚口麻里子さん(ON-PAM理事長)にご協力を仰ぎ、共同企画者となって頂きました。
そこで話し合いを重ね、私たちが「協働」をテーマに話を伺いたい方にお声を掛けさせて頂き、またお声掛けしたゲストに、更にもう一人、一緒に話をしたい方を誘って頂くという、少しユニークな試みをしました。
2名ゲストの日(11/5,14,26)はそうした手順です。
1名ゲストの日(10/29)、3名ゲストの日(11/19)はまた理由を変え、こちらから直接ご登壇をお願いしました。
ここでは「協働」について、さまざまな形で思考・実践し、豊かな創作活動をされている方々に、これまでの制作について、そしてまたこの先に向け、現在どのようなことを考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。本会での様ざまな意見交換を通し、これまでの舞台芸術が抱える問題から、この現状困難な状況下の中で、どういった制作方法があるのか、共に話し合う事で、参加者それぞれが今後の活動に希望を見出す機会となることを期待します。
高山玲子
第一回
10月29日(木) 19:00〜21:00
『〜 高山玲子のお悩み相談会 🤗 ウースター・グループ、TPAMフリンジ 他 〜』
聞き手 新井知行(PARC)
参加費 無料
参加 https://thinkaboutkyodo1.peatix.com
第二回
11月5日(木) 19:30〜21:30
『〜 みゆきとながらのごきげんよう👯♂️💣🎲 〜』
田中みゆき(キュレーター/プロデューサー) ×
和田ながら(したため・鳥公園アソシエイトアーティスト)
参加費 500円
参加 https://thinkaboutkyodo2.peatix.com
第三回
11月14日(土) 13:30〜15:30
『〜 鳥も、かもめも、もう飛べない 🐧🐦 〜』
西尾佳織(鳥公園)× 萩原雄太(かもめマシーン)
参加費 500円
参加 https://thinkaboutkyodo3.peatix.com
第四回
11月19日(木) 19:00〜21:00
『〜 制作癒しの会️ ♨️ 〜』
黄木多美子(precog)× 堀朝美(贅沢貧乏)× 河村美帆香(快快・syuz'gen)
参加費 500円
参加 https://thinkaboutkyodo4.peatix.com
第五回
11月26日(木) 19:00〜21:00
『〜 ふみ&潤⭐️おしゃべりナイト🍷🍾 〜』
横堀ふみ(神戸DANCE BOX)× 筒井潤(dracom)
参加費 500円
参加 https://thinkaboutkyodo5.peatix.com
【参加方法】
オンライン会議サービス『Zoom』を使用してのご視聴となります。
Zoomアプリをインストールした、インターネット接続に問題のないパソコン(またはスマートフォン/タブレット端末)をご準備ください。
チケットは各回事、peatixよりご購入ください。
ご購入頂きますと開催日までに開催URLをご本人さまにメールでお送りします。
*参加にあたっての諸条件がございます。ご理解・ご了承いただける方のみご参加ください。
また時間内に参加者の皆さまとの質疑応答の時間を設ける予定でおります。
Zoomチャット機能、時間内でしたら直接お話し頂く形で、ご質問・ご意見等お聞かせください。
リアルタイムイベントになります。アーカイブ配信の予定はございません。
お問い合わせ reikotomariko@gmail.com
【ゲストプロフィール】 *出演順
新井知行
1974年横浜生まれ。早稲田大学第一文学部卒業、同文学研究科演劇映像専修修士課程修了。坪内博士記念演劇博物館図書室での資料整理、劇団解体社スタッフ、原水爆禁止運動や非正規雇用労働者組合運動のための映像製作などを経てPARC – 国際舞台芸術交流センター勤務。「サウンド・ライブ・トーキョー」ディレクター(2014〜2016)、「TPAM – 国際舞台芸術ミーティング in 横浜」プログラム・オフィサー(2017〜)。Public Recordings『performance encyclopaedia』(OzAsia/Australian Theatre Forum、アデレード、2017)出演/ブックデザイナー。筒井潤/dracom『釈迦ヶ池 – Der Buddha-Teich』(FFT、デュッセルドルフ、2019)メンター。ホー・ツーニェン『旅館アポリア』(あいちトリエンナーレ、豊田、2019)ドラマトゥルク。
田中みゆき
アートセンターなどに勤務後、「障害は世界を捉え直す視点」をテーマにカテゴリーにとらわれないプロジェクトを企画する。価値や評価が定まる前の表現を扱うプロジェクトを通して、表現の見方や捉え方を当事者や鑑賞者とともに再考する。近年の企画に、『大いなる日常』展(2017年、NO-MA)、『音で観るダンスのワークインプログレス』(2017年~19年、KAAT神奈川芸術劇場)、映画『ナイトクルージング』(2019年公開)、『オーディオゲームセンター』(2017年~)など。現在、KAAT神奈川芸術劇場にて『視覚言語がつくる演劇のことば』が始動中。2018年より東京工業大学リベラルアーツ研究教育院非常勤講師。早稲田大学文学学術院博士後期課程在籍。
和田ながら
2011年2月に自身のユニット「したため」を立ち上げ、京都を拠点に演出家として活動を始める。主な作品に、作家・多和田葉子の初期作を舞台化した#4『文字移植』、妊娠・出産を未経験者たちが演じる#7『擬娩』がある。同世代のユニットとの合同公演も積極的に企画し、また、美術家や写真家など異なる領域のアーティストとも共同作業を行う。2015年、創作コンペティション「一つの戯曲からの創作をとおして語ろう」vol.5最優秀作品賞受賞。2018年、こまばアゴラ演出家コンクール観客賞受賞。2013年から2015年、Dance Fanfare Kyotoの運営に携わる。2018年より多角的アートスペース・UrBANGUILDのブッキングスタッフ。2020年より鳥公園アソシエイトアーティスト。
西尾佳織
劇作家、演出家、鳥公園主宰。1985年東京生まれ。幼少期をマレーシアで過ごす。東京大学にて寺山修司を、東京藝術大学大学院にて太田省吾を研究。2007年に鳥公園を結成以降、全作品の脚本・演出を務めてきたが、2020年度より3人の演出家を鳥公園のアソシエイトアーティストとして迎え、自身は劇作・主宰業に専念する新体制に移行。『カンロ』、『ヨブ呼んでるよ』、『終わりにする、一人と一人が丘』にて岸田國士戯曲賞にノミネート。2018年より、マレーシアのダンサー、振付家のLee RenXinとからゆきさんの共同リサーチを進めている。2015年度よりセゾン文化財団フェロー。
萩原雄太
演出家。劇団「かもめマシーン」主宰。「第13回AAF戯曲賞」、「利賀演劇人コンクール2016」優秀演出家賞。17年、ルーマニアの国際演劇祭「Temps'd Images Cluj」に参加し、18年にはベルリンで開催された「Theatertreffen International Forum」に参加。代表作に『福島でゴドーを待ちながら』『俺が代』『しあわせな日々』など。2019年度よりセゾン文化財団フェロー。
黄木多美子
1982年生まれ。2008年株式会社precogに入社。プロジェクトの広報などを経て、2010年からチェルフィッチュおよび岡田利規氏の作品制作を担当。2011年〜2018年は、ヨーロッパ、北米、南米、アジア各都市でのツアーマネージメントおよび国内外の営業を担当。2013年以降はプロデューサーとして主にチェルフィッチュの10作品以上の制作に携わる。2020年からは、アーティスト事業部チーフとして、アーティストとのプロジェクト全体を管理。
堀朝美
1991年生まれ。フェスティバル/トーキョー13 YAMP(Youth Arts Management Program)、国際舞台芸術ミーティング in 横浜(TPAM)2014でのインターンを経て、2015年からフリーランスの舞台制作・コーディネーターとして活動。近年では、悪魔のしるし、木ノ下歌舞伎、クリウィムバアニーなどの公演制作に携わるほか、TPAM、フェスティバル/トーキョー、KYOTO EXPERIMENTなどのフェスティバル制作に参加。2016年より、現代の日本社会が抱える問題をポップかつ鋭い視点で浮かび上がらせる舞台作品を手がける劇団、贅沢貧乏の制作を務める。
河村美帆香
1982年山口県生まれ。地元商業高校から武蔵野美術大学映像学科へ進学。同学科研究室教務補助員を経て、佐々木敦氏率いるレーベルHEADZに参加。当時小指値として活動していた快快に出会い衝撃を受け、行動を共にするように。2011年より株式会社precogにて制作〜デスクとして勤務。2019年より合同会社syuz'gen加入。現在も平行して快快と蓮沼執太フィル等をサポートしている。自他共に認めるミーハー。
横堀ふみ
NPO法人DANCE BOXプログラム・ディレクター。神戸・新長田在住。劇場Art Theater dB神戸が活動拠点。ダンス・プログラムを中心に、ほぼ全ての作品/企画を滞在制作によって実施する。同時に、世界の様々な地域をルーツとする多文化が混在する新長田にて、独自の国際プログラムを志向する。新長田アートマフィア仕掛人・構成員。特定非営利活動法人舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM)理事。
筒井潤
演出家、劇作家、公演芸術集団dracomリーダー。2007年京都芸術センター舞台芸術賞受賞。2014~16年セゾン文化財団シニアフェロー。2018年11月ニューヨークのSegal Center Japanese Playwrights Project 2018において、日本現代演劇の優れた戯曲の1つとして代表作『ソコナイ図』が選出された。dracomとしてTPAM2008やサウンド・ライブ・トーキョー2014、東京芸術祭2019ワールドコンペティション、NIPPON PERFORMANCE NIGHT(2017、19、デュッセルドルフ)に参加。個人として『Silent Seeing Toyooka』(城崎国際アートセンター主催)、『滲むライフ』(KOBE-Asia Contemporary Dance Festival #4 参加)等での演出の他、山下残振付作品、維新派、akakilike、悪魔のしるしの公演への参加等、ジャンルや様式を問わない活動を行っている。
【企画者プロフィール】
高山玲子
アーティスト/俳優/体メンテナンス体操主宰。俳優として活動する中で得た身体を活かし、自身の経験や記憶を核に用いた作品を創作・発表している。観客と作品/アーティストの接続点を見直し、相互的な作用を促すことによって、"今ここで起きている出来事"を他者と共有可能か、既成の演劇フレームの解体、再構成しながらの考察・実験を続けている。近年の作品は、参加者の終焉を上演するWS・演劇『ゴーストライター』(2018)、建物の演劇『ハイツ高山』(2019)、インスタレーション・シアター『祈りの素描』(2020)など。異ジャンルのアーティストと結成したアート・コレクティブ few phew pur(フュー ヒュー ピュー)としても活動を行う。2019年 ACYクリエイティブ・チルドレン・フェローシップ、2020年 ACY-U39アーティストフェローシップ。
https://decoyamadecoco.wixsite.com/home
塚口麻里子
舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM)理事長兼事務局長
2006年〜17年PARC - 国際舞台芸術交流センターにてTPAM in Yokohamaプログラム・オフィサーとして国際プラットフォーム事業に携わる。舞台芸術制作者オープンネットワークの設立に参加し、2013年より常務理事兼事務局長として従事。2019年4月より現職。2009年文化庁新進芸術家海外研修制度研修員としてエジンバラ、ロンドンに滞在。
バナー デザイン 宮村ヤスヲ
協力 syuz'gen、STスポット、BankART1929
助成 横浜市文化芸術活動応援プログラム

Photo by Zbigniew Bzymek

Photo by Shiho Kito / Yahooニュース特集

Photo by 守屋友樹






Photo by Iwamoto Junpei


Photo by 朝岡英輔
