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Reiko
Takayama

8月の水性演劇部/ 大雨と雷

  • 執筆者の写真: たかやま
    たかやま
  • 2024年9月3日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年10月12日




開始時間までにつぎつぎと連絡が入り、3人キャンセルになった。それにSさんの姿も見えず、なんとなく気持ちがざわざわして落ち着かない。先に体操を始めることにしてみんなで体を動かし始めると、ゴロゴロゴロと大きな音が聞こえる。「あーこれは、くるんじゃない」と誰かが言った矢先、容赦ない強い雨が降り始める。水性のガラス張りの窓から、慌てふためいて走る人たちが見える。雷の音に混じって子供の叫び声も聞こえる。なんかこんな映画見たことあるような、なんだっけ? あ、『グエムル 漢江の怪物』だっけか。とかのんきに眺めてしまった。

体操が終わって少ししたら、Sさんが手動で開ける自動ドアをこじ開けて中に入ってきた。Sさんの背中もスカートも濡れて大きく色が変わっている。大丈夫?と声をかけると「はい」とだけ言って、ささっと服を着替えに行った。その後は何事もなかったかのようにイスに座ってワークショップに参加していた。わたしもざわざわしていた気持ちをすっかり忘れた。


先月の7月のワークショップは楽しかった。どうしてあんなに楽しかったのか分からない。前澤さんと話したら、今日は今日できたことをベストだと思うことにしようと言われ、そうしようと思う。

わたしは最近起きた出来事で、少し苦しかった思い出を演じてみた。彼女がどんな気持ちでこの言葉を口にしたのか知りたかったのだ。彼女は「死にたい」と繰り返しわたしに言った。わたしも口にしてみた。口にした時、聞いていた時とはまた別の感情が確かにあった。けれどそれ以上も以下もない。答えもないし起承転結もなかった。こういうことが現実に起きということを、ただやってみる。やってよかったと思った。


前回の楽しいとはまた違った今日の発表会はなにか少し先に進んだ気がした。



たかやま




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