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Reiko
Takayama

妄想 想像 祈り 願い

  • machu
  • 9月8日
  • 読了時間: 3分


みんな幸せでいてほしいと思う。ほんとうにそう思う。綺麗事かもしれないけれど、誰かにとっての明日がいいものであってほしい。


もちろん私の明日もいいものであってほしい。


生まれてからずっと東京にいる。木よりも人が多くて、木よりも建物が高い。自然を知らない。人間を知ってる。新宿駅に行くと不思議な気持ちになる。きっと新宿駅にはこれから死にたくなりながら生きる人も今日を生き抜くためのお金を稼ぐ人も好きな人と映画に行く人も人身売買をする人もいる。みんなにとっての今を、これからを思うと圧倒されたりする。そんなわたしは中野で演劇をしに行こうとしている。


水性演劇部を知ったのは友人がすでに行っていたから。その感想をインスタで見て、気になると連絡した。その友人とわたしがもう一人友人を誘って、参加した。


学芸会ぶりに演技をしたけど、自分の体験を再現している感覚だから演技というより現実だった。でも、それはもう終わったことだから現実じゃなくて妄想 想像 祈り 願いだった。


昨日の哲学の授業で、「大切なのは自分が体験していない他者の行為を想像できる力だ」と言っていた。話を聞くのが上手いのは、その場で初めて聞いた話を瞬時に自分ごとにして、演技できるから。自分が他者の幽霊になれるからだと思う。私はその日、水性で幽霊になった。怖くない幽霊になれた。その日初めて会った参加者の人のかつての行為を全力で模倣することは、もしかしたら世間一般的には意味のないことなのかもしれない。だってその他者は友達でもないし、今更完全再現したって、誰にも見せないし、過去は変えられないから。でも、わたしは全くそう思わなかった。理由は2つある。まず、その本人の気持ちの整理は必ずできたと思うから。Macbookをなくしたともだちは新しいMacbookを買っていた。絶対選ばない色、と言いながら可愛いステッカーを貼ってハグしてた。姪っ子に冷たくされた参加者の方も、怪しい寄付をしてしまった参加者の方も、その瞬間は驚いて、考えることなど、言葉を発することすらできていなかったかもしれない。でも、今は違う。演技するくらいには回復している。それってつよいとおもった。2つ目は私の世界が広がるから。私は幽霊になれた。他者になれた。その時間だけは、私を一旦置いて、6人くらいの知らない他者になれた。私はこうしてまたもや世界を拡張してしまった。このワークショップにずっと参加している人は、毎月世界を拡張し続けてるわけだから、考えてみるとヤバい。水性演劇部が終わって、22時半くらいから参加していた友達で花火をした。意味わかんないくらい良い時間だった。意味わかんなくて良いと思う。わたしはすぐに、それ意味なくない?とか言っていた。その時、意味がわからないのは当たり前で、時間というものが意味を見つけてくれる。私は1ヶ月ほどたった今、ようやくこの月誌をかけている。


machu

 
 
 

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